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ケヨ22/千葉みなと駅

△京葉線の205系はワインレッドの帯を巻く。

 

 205系は、国鉄が1985(昭和60)年に製造した直流通勤型電車である。国鉄初の電機子チョッパ制御を用いた201系の実質的な改良版として登場した。「国鉄初の電機子チョッパ制御を〜」の201系は、確かに従来の電車に比べればはるかに省エネ電車であったが、そもそもその電機子チョッパ機構が高価であり、とてもではないが財政が火の車の国鉄には継続増備できるものではなかった。そのため、そこそこの省エネと絶大な経済性を求めて開発されたのが205系である。
 製造決定が1984(昭和59)年6月、落成が翌年1月と、かなりのインスタント感たっぷりの車両だが、オールステンレス製の車体や、保守を簡単にするカラーテープ帯、軽量ボルスタレス台車と電気指令式ブレーキの採用など、かなりの新機軸が盛り込まれており、非常に完成度の高い車両となっている。これらは現在の車両にも多く採用されている技術であり、現代の電車の元と言っても過言ではない。


●量産先行車(0番台)

ケヨ25/新木場駅
△最後は京葉線で活躍した。

 本系列の量産先行車である。側窓が田の字形の2段式となっていることから容易に判別ができる。10両編成4本が製造され、当初は山手線で運転されていた。後に京葉線に活躍の場を移している。


●量産車(0番台)

和邇駅にて
△湖西線での試運転時のJR西日本所属の205系。リニューアル工事を受けた後の姿。

 0番台量産車である。1985年から製造され、山手線を始め、埼京線、南武線、京浜東北線、横浜線、中央・総武緩行線、京葉線、武蔵野線、京阪神緩行線に投入された。ドアの窓の大きさが小さいもの(前期形)と大きいもの(後期形)があり、京葉線・武蔵野線に投入されたものはさらにフロントマスクのデザインが異なる。
 前期形は国鉄時代に製造されたグループであり、後期形は民営化後、JR東日本が製造したグループである。JR西日本は205系0番台自体を製造していないため、JR西日本所属の205系0番台は全て前期形となっている。

ハエ22/新宿駅
△埼京線用の205系はグリーンの帯を巻く。2・3両目は「6ドア車」ことサハ204形で、山手線、埼京線、横浜線の編成に連結されていた。この車両は後期形である。クラH10/東神奈川駅
△横浜線の205系。後期形。
ナハ35/尻手駅
△南武線の205系。前期形。この車両は山手線からの転属車で、山手車独特の細い無線アンテナが目を引く。
マリ3/蘇我駅
△京葉線と武蔵野線の車両に見られる、特徴的なフロントマスク。通称「メルヘン顔」。


●1000番台

美章園駅にて
△フロントガラスの桟の位置が0番台と異なる。

 1988(昭和63)年にJR西日本が阪和線用に投入したグループで、5編成20両が存在する。大小フロントガラスの位置が異なる他、SIVの採用、主電動機も110km/h運転対応のため、WMT61A形にパワーアップされている。もはや別物である
 屋根上も、ベンチレータが2つにまで減少しているなのだが、写真の車両はどうやら更新車らしく、ベンチレータが減少どころか見当たらない。クーラーもAU75でないところを見ると交換されている模様。
 東日本にも205系1000番台は存在するのだが、あちらはクモハのみが存在するため番号の重複は発生していない。