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フチFE64/丹波大山-下滝間

△カーブを疾走する381系国鉄色。

 

 381系は、振り子式試験車591系での実験結果を基に製作した振り子式特急形電車である。車体はアルミ製で、振り子作用を容易に行うために低重心構造となっており、クーラーなど屋根上の機器は床下に収められているのが特徴。車体のデザインは183系485系と同じ「電気釜」と呼ばれるデザインだが、車体長は381系の方が若干長い。

 

 国鉄特急としては初めて自然振り子式を導入し、カーブ通過時におけるスピードアップに貢献したが、カーブ通過時に傾斜するタイミングが若干ずれていたため、乗り物酔いを起こす乗客が多発した。車掌が酔った乗客のために酔い止めを携帯していた話は有名。

 JR化後は自然振り子式よりも乗りごこちに優れる制御付き自然振り子式に移行したため、現在自然振り子式を使用しているのは本形式のみである。

 なお、屋根上にパンタグラフを直接載せている381系で振り子装置を稼働させるためには、架線の張り方を変える必要がある。そのため、架線の改良工事がなされていない線区では振り子装置が使えず、一番上の写真の「こうのとり」が走行する福知山線ではその工事が行われていないため、振り子装置は稼働していない。

 

 クハ381形のうち、前面に貫通扉があるものが0番台、ないものが100番台という風に区別されている。民営化時にはJR東海とJR西日本に継承されたが、JR東海車は廃車され、現在はJR西日本の日根野電車区と後藤車両所、福知山電車区に所属しているのみである。

倉敷駅

△「スーパーやくも」時代の381系。

かつて、後藤車は「スーパーやくも」と「やくも」で、使用する車両の色が変わっていた。


多彩な改造車

 ---クモハ381形

岡山駅

△懐かしの「やくも」色。簡易貫通扉がカオスさを増長する。

 モハ381形を先頭車化改造して誕生した。もともとは「やくも」の基本編成を、サロを連結したままで6両編成化する際に必要となった形式である。多客期を考慮し、簡易貫通扉を設置しているが、使用していたのかどうかは微妙。

岡山駅

△「ゆったりやくも」色のクモハ381。

 

 ---クハ381形500番台

新大阪駅

△電連が特徴の500番台。「くろしお」は今日も南紀へ。

 「スーパーくろしお」における増結のために自動連結装置・電気連結器を装備した形式で、5両のみ存在。

 

 ---クロ380形

茨木駅

△個人的に一番好きな381系。なかなか使用列車(くろしお)にマッチした塗装ではないだろうか?

 サロ381形に先頭運転台をくっつけた、「スーパーくろしお」、「スーパーやくも」用のグリーン車。JR東海のクロ381形10番台と同じく前面展望を考慮したパノラマ車である。下の写真の「ゆったりやくも」塗装のクロ380は2両しかいないレアな車両でもある。

岡山駅

△岡山駅に進入するパノラマ車。