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サウS-114/琴似駅

△復活塗装の711系。

 

 711系は、国鉄が1967(昭和42)年に製造した北海道初の交流近郊型電車である。酷寒地である北海道の気候を十二分に反映した形式となっており、顔・形は似ていれど本州の電車とはいろんなところが明らかに異なる

 

 酷寒地仕様という事で、扉は車両両端に1ヶ所、一枚扉を有する急行型電車のような車体を持つ。…というか、実際急行列車に充当された経歴を持つ(急行「かむい」、「さちかぜ」)。そもそも、北海道の気候にまともに対応出来得る電車が登場当時、711系のみであり、元々柔軟な車両運用がなされることを視野に入れて設計されたともいえる。

 着雪による回路のスイッチ故障を極力防ぐため、国鉄の電車としては初めてサイリスタ位相制御を採用し、抵抗制御の電車にありがちな、抵抗の切り替え時のショックや高速域での冷却音などがしない、独特の乗り心地となっている。また、寒さに対応するために断熱材や2ドアの車体なども相まって、車内外ともに非常に静粛性が高い。

 

 後に車体中央に片開きドアを増設した3ドア車も登場し、札幌圏の通勤輸送に貢献したものの、当初は駅間の長かった札幌近郊区間用であったこともあり、次第に後継車に活躍の場を譲り、通勤輸送からは遠ざかっていく。

 後年は函館本線岩見沢-旭川間に活躍の場を移していたが、2014(平成26)年に惜しまれながらも引退となることが発表された。


●100番台

 711系の3次増備車にあたる。車体が難燃化構造とされ、クハの屋根上のヘッドライトが当初から装備されている。また、クハ711形はそれまで両渡り構造であったが、本グループからは片渡りとされ、奇数向きが100番台、偶数向きが200番台となった。

サウS-115/琴似駅

△手稲に回送される711系新塗装。