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 キハ181-21/姫路駅にて
△最後まで現役だった、JR西日本のキハ181系。

 キハ181系は、1968(昭和43)年に登場した国鉄の特急型気動車である。特急型気動車として好評だったキハ80系の設計思想を受け継ぎ、出力増強のために大型エンジンを搭載した車両で、フロントデザインなどは「非電化のクイーン」とも呼ばれた、キハ80系のキハ82形に似ている。

 

 キハ181形(先頭車)と中間車ではエンジンの冷却方式が異なっている。これは、製造コストの高騰を嫌った設計陣が、自然通風式を主体に設計したためである。そのため、中間車の屋根の上には巨大な放熱素子が並べられている。これは、キハ91系試作車でも採用された方式であった。

 一方で先頭車であるキハ181形は、発電機を搭載するため、軸重制限の関係から自然通風式を採用できず、やむを得ずに強制通風式を採用した。

 結果として、自然通風式を採用した中間車は、冷却系に始まる初期不良に悩まされ、最大ノッチを5分に制限するまでに至り、ささやかながらの冷却機構追加(床下への強制通風ラジエーターの搭載)をもって凌いだ一方で、キハ181形は冷却系に起因するトラブルにはほとんど見舞われなかった。

 


△キハ181系の方向幕。最末期のJR西日本車は、西日本独特の黒幕に交換されていた。

 

 キハ181形にはトイレが設置されておらず、最低でも3両(キハ181-キハ180-キハ181)での運用が必要であり、事実、特急「いそかぜ」などの山陰特急ではそのような編成が見られた。のちに、四国での事実上の後継車種となるキハ185系では最低編成両数が2両となっており、より一層の合理化が図られている。

 

 最盛期には本州・四国の非電化路線で活躍したが、次第に後継車種が登場し、末期にはJR西日本の京都総合車両所に所属するのみとなっていた。同車は写真のようなオリジナルの塗装に変更され、特急「はまかぜ」や臨時列車などで運転されていたが、2010(平成22)年11月6日をもって定期運用を終了。JR西日本車は2012(平成24)年2月8日までに全車が廃車・海外へ譲渡となり、廃系列となった。


△JR東海に所属していたキハ181-1がリニア・鉄道館にて保存されている
こちらは国鉄色である。