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キトS5/大津京

△現役車では最後の原色となった、京都区S5編成。

 

 117系は1979(昭和54)年に登場した、国鉄の直流近郊型電車である。激化する京阪神間の私鉄との対抗策として、室内には転換クロス、木目調の化粧板、2扉で着席定員を確保した点など、乗客サービスの面において、従来の近郊型電車とは明らかに一線を隔した車両となっている。

 ただ、2扉車を料金不要で人気列車の新快速に充当するのは無理があったようで、民営化後に221系が投入されてからはすっかり地方に転勤している。

 原色はクリーム色にマルーンの帯が入る塗装で、戦前のモハ52形の関西急電の色を継承しており、この組み合わせは実は最新型の225系まで続くことになる。


●0番台

 117系の基本形式。京阪神間での私鉄王国関西の牙城を崩すべく、国鉄が本気になって作った代物である。当時、度重なる運賃値上げと親方日の丸的な職員の態度から客離れが進行していた国鉄だが、この車両の登場によって乗客を呼び戻す契機ともなった。

 真面目な話をすれば、電気連結器を国鉄車で初めて採用し、台車も特急・急行用の台車を履き、最高速度も特急をも凌ぐ115km/h(登場当初は110km/h)へとパワーアップしている。

キトS1/京都駅

△トップナンバーは未だに健在している。

意外と京都周辺では見かけることが多い。

オカE1/福山駅

△岡山地区の「サンライナー」。「ワンマン運転を行う快速列車」と列車自体も特徴的である。

専用塗装の117系が用いられていたが、ついに末期色の毒牙に嵌ってしまった。

カキS1/米原駅

△東海道本線のボトルネック区間、米原-大垣間の普通列車に充当される117系。 

白地にオレンジのJR東海色で、2013(平成25)年3月に引退。この姿も過去のものとなった。


●100番台

 民営化を前に、京阪神地区の新快速の増発と、東海地区の快速を増発するために追加投入されたマイナーチェンジ車。外観としては、側窓が2段式ユニットサッシから1段下降式に変更され、台車も別のものに変更されている。また、東海地区投入車は6両編成を3両ずつに分割し、足りなくなった先頭車を新製、連結するという方法で編成を組み替えた。東海地区の上り方クハ117-0にはトイレが設置されており、編成中のトイレを1箇所にする関係で、下り方クハ116形にはトイレが設置されないクハ116-200番台を名乗っている。

セキC102/下関駅

△西の果てで活躍する117系。

ただ、同地で活躍する115系3000番台シリーズとの遜色は…あまりない。

 カキS15/浜松駅

△東海スペシャルのクハ116-200。

△100番台の窓。


●300番台

 さすがに2扉では通勤客をさばくことができず、JR西日本によって車両中央の一部の転換クロスをロングシートに変更された車両。塗装も白地に緑帯の「福知山線色」に変更された。しかし、福知山線脱線事故を機に、ATS-Pの関係から次々に多線区に離散。一部は山口県でも使用されることになった。

セキ105/新山口駅

△新山口-下関間で使用される福知山線色の117系。

方向幕が徳山から下関までの設定しかされておらず、徳山以東では拝むことができない。