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市坪-北伊予間

△重信川を渡り、愛媛南予は宇和島を目指す2000系「宇和海」。

 

 2000系は、JR四国が特急列車のスピードアップとキハ181系キハ185系を置き換えるために投入した特急型気動車である。車体はステンレス車で、振り子式気動車としては世界初、制御振り子式車両としては日本初の車両でもある。

 四国内の高速道路への対抗と、四国山地越えをする土讃線でのスピードアップを念頭にし、車両開発を行った結果、世界初の振り子式気動車の誕生となった。

 

 西暦2000年を目前に開発されたことから、2000系と命名された。この形式以後のJR四国の車両は「クハ」などのカタカナを用いない4ケタ車番を付与されることになる。ある意味、JR四国の車両の元祖である。


●試作車(TSE)

 気動車での振り子式車両が不可能と言われていたのは、エンジンの回転を台車に伝える「ドライブシャフト」が、振り子装置が作用している時に反作用(=悪影響)を生じさせるためである。この突破口として、本形式では、エンジンを2つ積み、それぞれのドライブシャフトの回転を逆にすることによって、回転力を相殺し、振り子装置が作用している時でも影響を与えなくした。

 

 そこで、理論を実証するための試験車として用意されたのがTSE車である。前面は量産車とは大きく異なるが、側面はあまり変わらない。量産車と異なり、ドアが交換されておらず、製造時からの大窓となっている。

 

 試験時は大型テレビやらカラオケ設備やらが搭載されており、さながらジョイフルトレインの装備であったが、現在ではこれらの機器は撤去され、量産車と同じサービスとなっている。また、製造当初は高松運転所に所属していたが、現在は松山運転所に所属し、特急「宇和海」で運用されている。

 なお、「TSE」は「Trans Shikoku Experimental」の略である。最高速度120km/h。

 

2001/市坪-北伊予間

△ブラックフェイスの2001。

 

2101/松山駅

△高松方先頭車の2001。量産車と比べて眠そうな印象なのは気のせいか?


●量産車

 TSEによる試験の結果を受けて投入された量産車。昼間時の視認性を考慮し、前面には黄色の警戒帯が入った。また、ヘッドライトも2灯から4灯に変更されている。最高速度はTSEと同じ120km/h。松山周辺で特急「宇和海」を狙っていると来るのはほぼコイツだと思って良い。

2112/千丈駅

△千丈駅を文字通り爆走する2000系。

2003/岡山駅

△2000系唯一の半室グリーン車、2000形。「南風」で高知を目指す。


●N2000系

 2000系の一連の増備が終わった後、その技術は瞬く間に伝播した。その後登場した智頭急行HOT7000系の技術をフィードバックして開発されたのがN2000系である。具体的には、エンジンがより強力になり(330馬力→350馬力)、ブレーキの種類も変更されている。最高速度は130km/h。

2424/岡山駅

△N2000系のプロトタイプ。2424と2458の2両しかない。

デザイン的には量産車と変わらないが、塗り分けは異なる。

 

高松駅にて

△量産車とは似て非なるN2000系。おもに高松発着列車に多く使われている。