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△あまりに数が多すぎて、ワタクシになかなかカメラを向けてもらえない車種である。

 

 207系は、JR東西線開業を機に片町線の103系を置き換える目的で登場した。JR西日本初のVVVFインバータ制御車で、地下鉄乗り入れ対応のためのダブルパンタや、半自動機能や耐雪ブレーキなどの寒冷地対策を施されているのが特徴である。

 また、各番台の外観は非常によく似ているが性能面ではまったく違うのも特徴。

 なお、国鉄にも207系を名乗る車両が存在したが、こちらは正式名称が「国鉄207系900番台」であり、本稿で扱う「JR西日本207系」とは別の車両である。

 

 車両側面は一般的な通勤電車と同じ4扉だが、従来の通勤電車とは異なりワイドボディを採用しており、室内は広い。

 種別表示機・行先表示機は、先に登場した221系を同じく幕・LED併用となっており、種別は幕式で「種別+ラインカラー」、行き先はLEDで表示している。

 

 とことん103系を駆逐するための車両である。(そして、玉突きで広島区の103系が増えた。)


●0番台

 207系0番台は、量産先行車での試験を経て製造されたグループで。0番台のみで組成された編成はZ編成を、当初は電気連結器を装備した車両として100番台に区分された車両(100番台)が連結された編成はH編成を名乗る。

 0番台は他の番台とはクーラーの形が明らかに異なっているのが特徴である。(0番台はWAU702、他の番台はWAU702B)


 ホシZ12:放出駅

△JR東西線・学研都市線の主力として今なお君臨する207系。

4両編成の多くは0番台が混じっているZ編成である。


●1000番台

 207系1000番台は、JR東西線の開業に伴う片町線の103系の置き換えのために投入されたグループで、0番台とはモーター車のユニット方式が廃され、新たに1M車が新造された点が異なる。また、それに伴い0番台にはなかった制御電動車「クモハ207」が設定された。

 VVVFインバータ素子は0番台とは異なり、GTO素子を採用し、インバータ制御を台車ごとに行っている。

ホシS25:塚本駅

△207系は性能差で番台が分かれているようなものなので、

見た目はどれも一緒に見える。


●2000番台

 207系2000番台は、東海道・山陽本線と福知山線の103系を置き換えるために投入されたグループである。VVVFインバータ素子がIGBT素子に変更されたほか、ドアが開く際にドアチャイムが鳴るようになった。

 また、製造時からATS-Pが装備されている。

ホシS64:神戸駅

△207系では最も最高水準に達したと言える2000番台。

この後、製造は321系に移行した。


●量産先行車

 見た目がどれも一緒な207系の中で、唯一見た目だけで判別できるグループである。通常試作車には900番台や9000番台を充てるのだが、JR西日本が試作車としての区分を設けない方針であることに加え、そもそも207系には900番台が存在し(国鉄207系900番台)、番号が重複するため、1〜の0番台の区分となっている。

 

 量産車とは異なり連結器下の電気連結器が装備されていないほか、321系と同じく7両固定編成であるなどの特徴がある。明らかに他の207系とは異質である

 321系の登場まで、東海道・山陽本線で限定運用に就いていたが、最近ではJR東西線や学研都市線での運用にもあたっており、遭遇率は低くなった。

 なお、最初に青と水色のラインの207系旧色をまとった車両だが、最後に新色に塗り替えられた車両である。何かの因縁としか思えないのは偶然だろうか。

△電連がない事が一発でわかる。

ちなみに、「207系F編成」はコイツ一本しかいない。