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△高槻駅に到着する新快速。

 

 225系は、2010(平成22)年に登場したJR西日本の直流近郊型電車である。福知山線脱線事故を教訓に車体強度などの安全対策を見直し、先頭車の部分に衝撃吸収構造(いわゆる「クラッシャブルゾーン」)を用いているのが特徴で、それまでの221系223系とは先頭部のデザインが大幅に異なっている。

 また、JR西日本の車両としては初めてHIDヘッドライトを採用し、新快速の車両としては初めてシングルアームパンタグラフを採用している。321系の設計思想も受け継いでおり、全車が電動車であり、構造も極力共通化されているほか、バリアフリー対応として車椅子スペースを編成中2ヶ所(両先頭車)に備える。223系と同じく、221系などへの性能選択スイッチ(「切」、「普通」、「221」、「223-0」の各モード)があるが、現状221系と併結する運用はない(通常は「切」モード。5000・5100番台は「223-0」モード、6000番台は「221」モード。ちなみに「普通」モードにすると223系と同じであれば、125系に性能を合わせるモードということになる)。
 車内の手すりはぶつかってもケガをしないように曲線的なものを採用し、吊革の数は従来の223系の80個から124個へと1.5倍増している。さらに、これらは一目で見てもわかるよう、オレンジ色をしている。なんというか、凄まじいまでの安全対策への執念すら感じる出来栄えとなっている。
 特筆されるクラッシャブルゾーンであるが、構造としては衝撃を上に受け流すようになっており、乗務員室と客室の間にクラッシャブルゾーンを設けているJR東日本のE231系とは構造が異なる。この方式自体はJR西日本独自のものである。
 車内枕木向きには321系で登場した液晶ディスプレイ「WESTビジョン」が設置されており、列車の遅れからパナソニックのCMまで、リアルタイムな情報提供を実現している。たまに大阪に停まっているのになぜか「次は三ノ宮」などと表示されているのはお約束である。なお、このWESTビジョンだが、映像の伝送に不具合が生じると、通常であればJRロゴが表示される(通常じゃない=リアルな故障だと映像がバグる)。


●0番台

 △京阪神を文字通り爆走する225系新快速

 225系の基本形式で、東海道本線、山陽本線、湖西線での新快速などに用いられる。基本的には223系の運用と共通である。最高速度は130km/hであるが、2両編成に組成すると120km/hにダウンするらしい。


●100番台(225系0番台2次車)


△サントリーカーブで普通を追い越す225系100番台トップ編成。

 225系0番台の増備型で、2016(平成28)年に登場した。この車両の投入によって、網干総合車両所の221系が吹田総合車両所奈良支所に転属→奈良支所の103系が廃車という、微妙に複雑な転配が行われた。
 227系や323系と類似したライトの配置となり、前面・側面種別・行先表示はフルカラーLEDとなっている。また、モハ225-400(8両I編成の2号車)とモハ225-100(4両U編成の2号車)には、冗長性確保のため、予備のパンタグラフを搭載している。登場当初から先頭部の転落防止幌がついているほか、運行番号表示器はなくなっており、前面デザインはかなり変化した。
 2020(令和2)年追加増備分からはヘッドライトがHID灯からLED灯に変更されたほか、各車両にフリースペースを設けるなどの変化がある。


●5000番台

△台風の影響で関西空港大橋が寸断されたため、2週間ほど登場した関空快速りんくう行き5000番台。

 阪和線・関西空港線・紀勢線用に製造されたグループ。車内は223系0番台に準じ、2+1列席となっている。いつの間にやら増えた結果、阪和線の車両は223系か225系となった。フロント部分の帯がない分、のっぺりした印象である。
 側面の帯も223系阪和グループと同じく、青と白のグラデーションであるが、運転台後ろに青いJRロゴが追加されている。


●5100番台(225系5000番台2次車)


△上の5000番台と同じ日に撮った5100番台関空快速りんくう行き。表示がフルカラーになるだけで印象もずいぶん変わっている。

 225系5000番台の追加製造分である。仕様としては225系100番台に準じるが、室内は2+1列席となっている。この車両に特筆できることとして、JR西日本初の公衆無線LANのサービスを行っている。また、4両編成と6両編成がおり、4両編成は先頭部に転落防止幌が装備されているが、6両編成には装備されていない。これは、6両編成には増結運用がないためである。モハ225-5100(6両編成の3号車と4両編成の2号車)には、100番台と同じく予備のシングルアームパンタを搭載している。


●6000番台

△川西池田駅に進入する「丹波路快速」。

 福知山線の113系と221系の置き換えを目的に、網干総合車両所の0番台から4両編成と6両編成を宮原総合車両所に転属させて、221系と同等に性能を固定したグループである(要は、221系と同性能にデチューンしている)。正面貫通扉と側面の乗務員扉にオレンジのシールが2本貼られているのが特徴。おもに福知山線の朝の普通と終日の快速列車に用いられている。
 221系が福知山線から完全撤退後も、ダイヤの運転曲線が221系基準で引かれているためか、6000番台化は解除されていない。
 なお、225系0番台には当初、6両編成もあり、網干総合車両所に配属されたが、6両編成はすべて宮総転属&6000番台化されている。